ハワイ随想(その1)

  • 2012.06.10 Sunday
  • 07:32
私がハワイに行ったのは随分前のことです。数十年が経過していますが、今でもそ
の楽しかったことを昨日のように思いだします。そのハワイに福岡からの直行便の
就航の知らせは嬉しい知らせでした。

いつかまた行ければと思っていたハワイがぐっと近くなったような気がしました。
仕事が忙しくなってくる中で、リフレッシュの必要性を感じていましたので、そう
だ!ハワイに行こう!と思い立ち、仕事に6日間の隙間をつくって行ってきました。
「なかよしブログ」では何回かに分けて、ハワイでの体験などを紹介したいと思い
ます。

  
   
★ハワイ州ワイキキ市ダイヤモンドヘッドの頂上からの眺め 5月31日8:00AM撮影  
 サンゴ礁の海の上に大きな虹がかかり、その美しさに感動しました。

今回は、私が毎月1回執筆している鳥についてのエッセイ「鳥信」に今回のハワイ で
のことを描いてみましたので、そのエッセイを紹介したいと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
鳥信NO.144 ソウシチョウ(相思鳥)Leiothrix lutea
タイトル:移民の島

久しぶりにハワイを訪れた。きっかけは、私の住む町からハワイへの直行便が就航
したからだ。東京や大阪で乗り換え無しで、我家の近くの空港からそのままホノル
ルに向かうことが出来るようになり、ぐんと身近に感じるようになった。今回はハ
ワイの歴史や自然を知ろうと、事前に本を読んだりして準備しての訪問だったので
味わい深い旅になった。

ハワイの歴史は移民の歴史でもある。19世紀の中ごろから農林業の発展とともに、
労働力不足を補うために、多くの移民が島に流入した。日本からも22万人もの人
が移民している。彼らは厳しい開墾作業や低賃金、差別などと戦いながら、今日ま
で生き延びてきた。並大抵の苦労ではなかったに違いない。

そんな苦労を共にしたのが、日本から連れていった小鳥たちだった。ウグイスやメ
ジロ、ソウシチョウなどが籠に入れられて海を渡った。彼らの鳴き声や姿は懐かし
い故郷を思い出し、厳しい労働にも耐えることが出来たのだ。そして、今ではハワ
イの自然の一員として溶け込み、その環境に順応している。

今回、オアフ島に残るハワイ本来の熱帯雨林の中を歩くことが出来た。そこはワイ
キキの街から車で数十分しか離れていないのだが、保護区としてその生態系が守ら
れている地区だ。

   
熱帯雨林観察路「マノアの滝コース」の案内版 5月30日13:30頃撮影 

一歩足を踏み入れると、40mから50mもある大木の生い茂るジャングルだ。木々
の幹には蔦が絡まり、その大きな葉が木や森の空間を覆っている。そこは海からの風
が突き当たり、雲が湧きやすく雨が多い。そのため濃密な植物の世界が拡がっている。
木々の間からは鳥たちの鳴き声が方々から聞えてきた。

  
鬱蒼とした熱帯雨林の内部 マノアの滝までの往復コースにて 
 5月30日14:00頃撮影

ジャングルの中で、目の前に一羽の鳥が現れた。一瞬目を疑った。それは我家の近く
の山でよく見かけるソウシチョウだった。そうだ。この鳥もまた移ってきたのだ。そ
の姿はハワイの歴史とその自然を象徴的に物語っているように思えてならなかった。

註1)ソウシチョウ:スズメ目チメドリ科。体長14cm(スズメ同等)。インド北
   部、中国南部、ベトナム北部、ミャンマー北部に自然分布。日本には観賞用と
   して持ち込まれ、それが野生化し、現在は留鳥として、関東、東海、近畿、中
   国、四国、九州の各地で繁殖している。

  
  ★ソウシチョウ(BIRD FAN:日本野鳥の会のポータルサイトより転載)
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