ミソサザイ:『見れども見えず』

  • 2014.03.04 Tuesday
  • 21:32

 気が付くともう3月。梅の花は今を盛りに咲いています。その梅の花にメジロたちが蜜を
吸いに来ています。メジロにとっては大事な栄養源です。梅の花にとっては大事な受粉
をしてくれる鳥です。自然界では、このような共生のシステムが無理なく、当たり前のよう
にして機能しています。おカネをくれ!とか権利だとか義務だとか言わなくても、・・・・。

 
  ★梅の花とメジロ 2014年2月27日 天拝公園にて撮影

今日は私が毎月1本書いている鳥ののエッセイ「鳥信」より最新作を紹介します。タイトル
は「見れども見えず」。取り上げた鳥はミソサザイ(鷦鷯)という鳥です。

              ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

鳥信NO.161 タイトル:見れども見えず

ミソサザイに出会うのは年に数回しかない。と言うのも、まずは体が小さい。10cmくらい
の日本で最も小さな野鳥である。さらには羽根の色がくすんだ茶褐色。しかも、渓流の岩
や崖の水際が餌場なので行動自体が見えにくいからだ。

仕事や天気の関係で、山に行けない日が続いていたが、ようやく条件が揃った。自転車に
乗って登山口を目指す。このわずか2週の間に、梅の花が綻び始めた。 久しぶりに登ると
体がなまっていて体が重い。息は切れるし汗も吹き出た。いつもは、山の緑や小鳥たちの
囀りなどを楽しんでいるうちに頂上に着いてしまうのだが、この日は頂上までが随分長く感
じた。

山を下りて、登山口近くに設置してあるベンチに腰かけて一休み。普段はそのまま自転車
に乗って帰宅するのだが、よほど疲れていたのだろう。ほっと一息ついていると、視界の中
をサッと何かが横切った。鳥の影だ。

影の向かった先には小さな渓流がある。目を凝らすと、小さな鳥が岩陰に見え隠れしてい
た。ミソサザイだ。早速、ポケットからカメラを取り出して、シャッターチャンスを待つ。じっと
していると、私に気付かない様子で、こちらの方に少しずつ近付いてくる。

とうとう2mくらいの至近距離まで接近。岩の上にチョコンと飛び乗った。まるで私に向かっ
て、尾羽を立ててポーズをしてくれたかのように思えた。その瞬間をとらえて、シャッターを
切る。いい写真が撮れた。

  
  ★ミソサザイ 天拝山・石楠花谷にて 2014年2月21日撮影

ミソサザイに会えたのは、あのベンチのおかげかも知れない。あそこで一休み出来たから
だ。ぼんやりとする時間があったからだ。いつもように通り過ぎたり、ましてや何か考えごと
していたりしていれば、すぐ近くにいたとしても気付かなかっただろう。「心そこに在らずば、
見れども見えず」とはよく言ったものだ。

あの日以来、ベンチのある場所を通るとき、また会えるかなと思ってミソサザイの影を求め
ている私がいる。

【註1】ミソサザイ:スズメ目ミソサザイ科ミソサザイ属。日本では留鳥として、奄美諸島以北
に生息している。高山に生息するが秋〜春先にかけては低山帯や平地に降りて越冬する。
全長が約11 cm、和名のサザイは、古くは「小さい鳥」を指す「さざき」が転じた]。全身は
茶褐色。雌雄同色。体つきは丸く、短い尾羽を上に立てた姿勢をとる。茂った薄暗い森林
の中に生息し、特に渓流の近辺に多い。昆虫などを餌としている。

  
  ★ミソサザイにまた会えましたよ! 2014年2月24日撮影

【註2】撮影マナー:動物や昆虫を至近距離で撮影するときにはフラッシュは使わないようにし
ましょう。強い光が彼らの網膜を損傷する可能性があるからです。

  • 0
    • -
    • -
    • -
    • -

    calendar

    S M T W T F S
          1
    2345678
    9101112131415
    16171819202122
    23242526272829
    3031     
    << December 2018 >>

    selected entries

    archives

    links

    profile

    search this site.

    others

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM