四十数年ぶりの開聞岳登山

  • 2014.04.30 Wednesday
  • 23:37
最近はご無沙汰ばかりしています。近況を書きたかったのですが、ばたばたとし
ているうちに随分と時間が経ってしまいました。今日は毎月執筆している鳥に関
するエッセイを紹介します。4月15日に鹿児島県の開聞岳に登ってきましたが、
そのときの様子を描いています。お楽しみください。

    

    枕崎の海岸から海の向こうに聳える開聞岳を望む 4月14日撮影
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鳥信NO.163 ハヤブサ(隼)Falco peregrinus
タイトル:“生”の実感
 
4月、開聞岳(かいもんだけ・標高
(()924m)に登った。九州最南端に位置しており、
典型的なコニーデ型の火山で、「薩摩富士」と呼ばれている。薩摩半島の突端に
海からスッと立ち上がるように聳える姿は秀麗だ。周囲には山が無いので、360
度の眺望が楽しめる。南シナ海に浮かぶ硫黄島や竹島、北方には遠く霧島連山、
桜島なども見える。日本百名山の一つだ。


 
 田植えの終わったばかりの水田に映る開聞岳 4月15日8:00撮影

この山に登るのは大学時代以来なので四十数年ぶりとなる。以前の記憶は頂上
からの眺望くらいで、途中のアプローチなどはすっかり忘れている。今回は、昔の
どんな記憶に出会えるかを楽しみにしながらの登山だった。

登山口から頂上を見上げる。急傾斜なので結構な仰角だ。この見上げる感覚が
四十年前のこの山を初めて登った時の感覚をうっすらと思い出させた。 しかし、
そこから頂上までは、まるで初めての山のような感じだった。最も変わっていたの
は私自身だった。疲れも知らずに登って下りることの出来た山だったのだが、頂
上にたどり着くまで結構体力を消耗してしまった。当たり前のことなのだが情けない。


 
 9合目付近から池田湖を望む 4月15日10:40撮影

やっとの思いで頂上に立つ。頂きからの眺めは四十数年を経た今も変わっていな
いように思えた。眼下には青く霞む島影や白く弧を描いて伸びる汀線。遮るものの
ない世界。青空に溶け込むような気分。あの時もこの空に抱かれているような感覚
だった。記憶の中に埋もれていた感覚が蘇った。

  

四十数年ぶりに山頂に立つ! 埋もれていた感覚が蘇る 4月15日11:00頃撮影

とその時だった。目の前を鳥影が過ぎった。その影は、まるで落下するようにすぐに
視界から消えてしまった。ハヤブサだ。翔ぶ鳥を捕まえて生きるハヤブサには見晴ら
しのきく開聞岳は絶好の棲み家に違いない。

頂上でのそれほど長くはない時間だったが、素晴らしい眺望やハヤブサとの一瞬の
出会いなどが、日々の暮らしの中ではあまり感じることのない“生”の実感を与えてく
れた。私は今、生きていると。


註1)ハヤブサ:ハヤブサ目ハヤブサ科ハヤブサ属。オス全長42cm、メス49cm。
   翼長90cm-120cm。頭部は黒く、体は青黒色。喉から腹部は白。飛翔してい
   る鳥を空中で脚で捕獲して餌食とする。急降下の速度は時速200kmを超え
   る。生態系の頂点に立つ鳥の一種であり、生息数は少なく、絶滅が危惧さ
   れる種に分類されている。

 
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